クドウ ダイスケ
工藤 大祐 所属 看護学部 看護学科 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2022/03 |
形態種別 | 学位論文(博士) |
標題 | 椅子の背もたれを使用した高齢者の安全・安楽な点眼姿勢の検討
-点眼動作および点眼姿勢の検証と看護師の点眼指導の実態調査から-(博士学位論文) |
執筆形態 | 単著 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 武庫川女子大学大学院 |
概要 | 高齢女性20名を対象に椅子の背もたれの有無で点眼をしてもらい、点眼の成否要因に関する検証実験を行った。点眼動作の動作解析より、点眼時の頭部後傾角度、肘関節角度、体幹後傾角度、点眼容器角度を測定し、背もたれの有無と点眼薬滴下の位置ずれ、点眼の成否を比較した。加えて、我が国の厚生労働省の指定がある特定機能病院および全国自治体病院協議会の登録病院で眼科診療科を標榜に掲げ、眼科病棟を有している438施設を選定し、点眼指導の経験がある眼科病棟に勤務する看護師1名を対象に無記名自記式の質問紙による実態調査を行った。
椅子の背もたれを使用する点眼姿勢は、背もたれが体幹を支持し頭部の後傾不足を補うこととなり、点眼時の点眼容器先端への接触や点眼薬滴下の位置ずれによる失敗リスクが軽減できる。背もたれを使用する点眼姿勢は高齢者にとって安全・安楽な姿勢であるため、点眼指導に取り入れることが可能であることが示唆された。また、点眼指導の質問紙調査では、点眼指導時の点眼姿勢は、「ベッドでの端座位」と「仰臥位」が多く、頭部後傾が困難である高齢者の場合に失敗のリスクが考えられた。さらに、点眼指導の内容を「成人」と「高齢者」で区別していない施設の数はほぼ同数であり、高齢者向けの指導の必要性が示された。また、高齢患者や独居の患者の増加、認知機能障害がある患者の場合、在宅での点眼管理に関して看護師は困難感を抱いていたことから、高齢者の状態に即した指導を行う必要があると考えられた。 |